今さら聞けない!労働生産性について分かりやすく解説

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2023年03月23日 配信
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今さら聞けない!労働生産性について分かりやすく解説

今さら聞けない!労働生産性について分かりやすく解説
BPO

労働時間を増やさずに企業の利益をアップさせるためには、労働生産性の向上が必要不可欠です。また、ワークライフバランスの実現を目指す場合にも、労働生産性を高めて残業時間や休日出勤を削減する必要があるでしょう。 今回は労働生産性に関する基礎知識や改善がもたらすメリット、具体的な計算方法などについてご紹介します。

労働生産性とは?

労働生産性とは「1時間あたりの生産量」または「労働者1人あたりの生産量」を数値化した指標です。労働生産性を算出することで、1人の労働者がどれくらいの利益を生み出したのかを明らかにできます。

近年では人手不足や働き方改革の推進などの社会背景から、多くの企業が労働生産性の向上を課題に掲げています。同じ労働時間であっても、1人あたりの労働生産性が高いほどより多くの利益が生まれるためです。

労働生産性が向上する4つのメリット

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労働生産性が向上することで、少人数でも利益向上が期待できるようになります。つまり、リソースが限られた中小企業でも利益を拡大することが可能になると考えられます。さらに、ワークライフバランスの実現や、新たな投資への道が開けることもメリットです。

ここでは、労働生産性の向上がもたらす4つのメリットについてご紹介します。

1.少人数でも利益向上が見込める

労働生産性が向上すると、少ないリソースであっても利益を上げることができます。
例えば従業員数が10人の企業で1日1,000万円の売上を上げているとすると、1人あたりの労働生産性は100万円です。
仮に労働生産性が100万円のまま1日の売上をアップさせるためには、労働時間を延ばすしかありません。しかし、労働生産性が1.5倍の150万円になれば、労働時間を増やすことなく1日の売上を1,500万円にまでアップさせることができます。売上がアップすれば、単純計算であるとはいえ連動して利益上昇も見込めると言えるでしょう。

近年ではシステムやツールの導入によって効率化が進み、少人数の企業においても、1人で何倍分もの労働量をこなすことができるようになってきました。加えて、日々の運用プロセスを改善することで、さらに労働生産性を大きく向上させられる可能性もあります。

2.ワークライフバランスを実現できる

労働生産性が向上し就業時間内に業務を終えられるようになれば、従業員のワークライフバランスの実現にもつながります。
就業時間内に定められた業務量をこなせない場合、その対応のため残業や休日出勤をせざるを得ず、結果としてプライベートの時間が取りにくくなってしまいます。労働生産性の向上は、1日の業務をより短い時間で処理し、残業や休日出勤を削減するためにも効果的だと考えられます。

プライベートを充実させリフレッシュをしてこそ、集中力や仕事へのモチベーションも高まるでしょう。従業員の心身の健康のためにも、ワークライフバランスの実現は重要です。

3.新たな投資が可能になる

労働生産性が向上すると、それにより削減できた時間外労働などのコストや上昇した分の利益を、新たな投資に回せるようになります。新商品の開発やマーケティング活動など、自社の成長を促すための投資を活発化させることで、さらなる売上アップや事業規模の拡大を目指せるでしょう。
さらに、新たな投資が可能になるのは金銭面だけではありません。労働生産性の向上によってひとつの業務に必要なリソースを減らすことができれば、そのリソースをほかの重要業務に割り当てられます。このように、労働生産性の向上はコストと人材の効果的な活用を促します。

4.企業競争力の向上

労働生産性の向上は、企業競争力の向上にもつながります。
日々の業務に追われていると、新規顧客の開拓や潜在顧客の発掘、リピーターの獲得など、積極的な施策に手が回らなくなり、目の前の作業をこなすだけで手一杯になることも少なくありません。このような状況が続くと動きの激しい市場の波に乗り切れず、気がついたときには市場競争力が著しく低下している、といった可能性もあります。
企業競争力を高めて市場にとって魅力的な商品やサービスを提供し続けるためには、労働生産性を向上させ、戦略的な行動がとれるような企業運営を実現することが大切です。

労働生産性が高い企業の特徴

労働生産性が高い企業の特徴として、社会的感受性が強く、当事者意識を持っていることが挙げられます。ここでは、これら2つの特徴についてご紹介します。

社会的感受性が高い

社会的感受性とは「他者の感情を読み取る能力」のことです。従業員一人ひとりの社会的感受性が高い企業は、労働生産性が高くなりやすい傾向にあると言われています。

組織を統率する経営層やプロジェクトリーダーが、個々の従業員の考えを十分に把握し「どのような思いを抱いているのか」を敏感に察知することは、従業員それぞれの特性を把握するうえで重要です。
これによって、それぞれの従業員をどのように配置すれば快適に働けるようになるのかが明らかになり、結果的に労働生産性が向上する可能性があります。「その人にとって働きやすい環境」を提供することは、労働生産性の向上に大きく貢献するためです。

指示を受けて業務を遂行する側の従業員についても社会的感受性が高ければ、経営層やプロジェクトリーダーの意図をより正確に理解できるようになり、円滑に業務が進むでしょう。結果として労働生産性が高まると言えます。

当事者意識を持っている

労働生産性の向上には、従業員の当事者意識も重要です。
もし従業員一人ひとりが当事者意識を持って取り組んでいなければ、「ほかの人が頑張るだろうから、自分は取り組まなくても大丈夫だろう」という気持ちが強くなり、労働生産性の向上のための施策はスムーズに進まなくなる可能性があります。

個々の従業員が「自分の行動が会社全体の労働生産性を変える」という意識を持ちながら日々の業務に取り組める企業では、施策が成功しやすくなるでしょう。

労働生産性の計算式

労働生産性を算出するときには、一般的に「物的労働生産性」と「付加価値労働生産性」の2つの方法を用います。ここでは、それぞれの方法で労働生産性を算出するための計算式をご紹介します。

物的労働生産性

物的労働生産性とは、「製品の数量や重量」を成果物として捉える考え方です。物的労働生産性を求めるための計算式は、「生産量÷労働者数」です。

例えば、ある商品Aの製造数が1,000個で、労働者数が10人であれば、労働者1人あたりの物的労働生産性は100個です。わかりやすく、客観的に判断しやすい指標だと言えるでしょう。

付加価値労働生産性

労働生産性の算出における「付加価値」とは、一言で言い換えると「粗利」のことです。ある商品Aを生産するためにかかる原価が2,000円で、その商品Aを5,000円で販売したとき、付加価値労働生産性は3,000円になります。

上記を前提として、付加価値労働生産性を求めるための計算式は、次の2通りがあります。

  • 労働者1人あたりの労働生産性:付加価値÷労働者数
  • 1時間あたりの労働生産性:付加価値÷(労働者数×労働時間)

付加価値労働生産性は、労働者の生産効率を確かめるために便利な指標です。

労働生産性を改善できるポイント

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労働生産性を改善するためのポイントはいくつかありますが、代表的なものとしては業務フローや労働時間、システム・外注先、評価方法などが挙げられます。ここでは、これら4つのポイントについてご紹介します。

業務フロー

現行の業務フローを見直すことで、労働生産性を大きく改善できる場合があります。業務フローが長期間にわたって見直されていない場合や、従業員によって異なる手順で業務フローを運用している場合などは、一度見直して効率化を図ってみることをおすすめします。

業務フローを見直す際は、現場当事者の意見を取り入れながらも、当事者以外の第三者など多くの人にも意見を聞くことが大切です。

労働時間

同じ業務量を処理するのにかかった労働時間が短いほど、労働生産性は高いと言えます。日ごろから就業時間を意識して、各従業員が「〇時までには業務を終わらせる」と区切りの意識を持って仕事に臨むだけでも、労働生産性の改善につながります。
ほかにも、企業全体として毎月の残業時間の可視化などに取り組むことでも、一定の効果が期待できるでしょう。

システム・外注先

システムを導入して既存の業務を自動化することや、外注先にアウトソーシングすることも、労働生産性の向上に貢献します。手順の決まった業務をシステムで効率的に処理させることによって、リソースを個別の判断を伴うなどの、より重要性の高い業務に集中させることができます。
さらに、自社の従業員だけでは手が回らない業務をプロの専門業者に委託することで、処理の効率や品質が上がり労働生産性の向上を実現できることもあります。

評価方法

社内の評価方法を見直すことで、労働生産性の向上につながるケースもあります。適切な評価は、従業員の仕事に対するモチベーションを大きく左右するためです。
評価基準が不明確だと従業員は不満を抱きやすくなるため、基準を明確にして社内に広く公開し、公平に評価できる体制を整えることが求められます。

まとめ

労働生産性の向上は、利益の向上や従業員のワークライフバランスの実現につながります。さらに、新たな投資を可能にすることで企業競争力の向上を目指すためにも、労働生産性の改善をすることが重要です。

労働生産性の改善には、業務フローの見直しや労働時間の削減、システム導入や外注先の利用など、さまざまな観点からアプローチできます。自社の現状を整理し、改善できる部分を探してみることをおすすめします。

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