総務がやるべき仕事・あるべき姿とは?総務部の課題とその解決策を徹底解説
総務がやるべき仕事・あるべき姿とは?総務部の課題とその解決策を徹底解説
総務において「業務が属人化している」「コア業務(キー業務)になかなか注力できない」という課題がある場合は、BPOの活用に目を向けるとよいかもしれません。ノンコア業務をアウトソースすることでキー業務に注力できるようになり、結果として「戦略総務」へ変化しやすくなります。
そこで今回は、日本における総務業務の現状をはじめ、BPOを導入する際のフローや注意点、BPO先の選び方などについてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
日本の総務業務の現状と課題・問題点
現在、会社を取り巻く環境やワークスタイルの変化の影響で、総務部においても仕事内容の見直しが迫られています。
日本の総務の特徴は、多岐にわたる業務を少ない人数でこなしていることです。その業務内容には、たとえば文書や車両などの「資産管理業務」、オフィス環境の構築・維持をする「ファシリティマネジメント業務」、情報漏洩対策などの「リスクマネジメント」、そして株主総会といった行事を取り仕切る「イベント」業務などがあげられます。総務として扱う仕事量が多いことから、担当者一人ひとりに「その人にしかできない仕事」が生まれてしまうのが、日本における総務業務の現状です。
仕事が属人化すると周囲がサポートしづらくなり、その結果「総務担当は長時間労働が当たり前」という雰囲気ができてしまいます。また、人を増やそうにも属人化していると新規採用は難しいですし、他部署からの異動も期待できません。
こうした問題を解消する手法のひとつが「BPO(Business Process Outsourcing:ビジネスプロセスアウトソーシング)」です。これは、企業のノンコア業務や自社に運用ノウハウがない業務を、外部の事業者に継続的に委託することを指します。
では、総務業務においてBPOを活用する場合、「総務として着手すべき業務」にはどのようなものがあるのでしょうか。
総務の本来の3つの業務
総務におけるキー業務は、「企業価値の向上」「生産性の向上」「間接経費の適正化」の3つです。これらは会社の将来を形作る重要な業務なので、総務のコアはここに集約する必要があります。つまり、キー業務に注力し、かつ経営戦略に対し積極的に貢献することで、総務は会社の将来を形作る「戦略総務」へと変化しなければならないのです。BPOは、こうした動きを実現するための方法論のひとつです。
BPOの導入フロー
BPOの導入フローには、「分析」「設計」「構築」「運用」の4つのステップがあります。
ステップ1 分析
BPOを活用するためには、まず属人化・複雑化した総務の仕事を徹底的に分析し、定型的な「ノンコア業務」と本来やるべき「コア業務(=キー業務)」に切り分けます。具体的には、縦軸に業務の再現性を、横軸に難易度を置き、業務を4つのエリアに分解していきます。
- 再現性「高」×難易度「低」=「標準化エリア」
- 再現性「低」×難易度「低」=「バラエティ処理エリア」
- 再現性「高」×難易度「高」=「体系化知識エリア」
- 再現性「低」×難易度「高」=「非標準化エリア」
「非標準化エリア」こそが、企業の未来につながる「戦略総務」の領域です。ここに注力できるよう、BPOを活用できる業務を可視化することが第1ステップとなります。
ステップ2 設計
業務内容を分析し4つのエリアに分類できたら、新たな業務フローの設計に取りかかり、どの業務でBPOを活用するかを決めて開始に向けた計画の策定を行います。
ステップ3 構築
BPO受託会社が設計に至る段階でヒアリングし作成した運用マニュアルや作業手順をもとに業務を構築します。
その際、業務に必要なネットワークやPCなどのインフラ設備、人材確保といった準備も進めていきます。
ステップ4 運用
BPOの準備が整ったら、いよいよ運用開始です。最初から完璧に運用していくことは目指さず、PDCAをまわしながら徐々に改善を重ね、安定運用に導いていきましょう。
BPO導入の注意点
BPOの実施には、さまざまな課題が待ち受けています。実際に運用する前に、どんなリスクが想定されるか、そしてどう対処していくかを徹底的に話し合っておきましょう。
たとえば、自社のオフィス外で運用する「オフサイト型」で行うのか、それともオフィス内に常駐して運用する「オンサイト型」で行うのかによって、考えられる課題は異なります。前者の場合、自社のスペースは保たれますが、別途家賃が発生する場合があります。後者の場合は、自社内で行うため家賃などのコストはかかりませんが、人件費が二重に発生する可能性があります。
また、セキュリティ面をどうするのかなど、BPOにおけるさまざまなリスクも想定しておく必要があります。コストやリスクを考慮したうえで、BPOを活用する業務を切り出さなければなりません。
このほか、「何のためにBPOを行うのか」という点の社内周知が十分でないと、アウトソース予定の業務に従事している社員が「自分の社内での立ち位置はどうなるのか」と不安になる可能性があります。また、それ以外の社員が「BPOが広まると自分の仕事もいずれなくなるのでは」と焦ってしまうことも考えられます。その結果、社員がBPO自体に不信感を持ち、アウトソースがうまくいかなくなるといった事例もあります。このような事態に陥らないためには、経営層から一般社員まで、BPOに向けた目線を統一させることが大切です。
BPO先の選び方
BPO先には、パートナーとして同じ目線で業務を遂行できる企業を選びましょう。
たとえば、BPO委託元から受けた仕組みやマニュアルに改善点があったら、積極的に見直しを提案してくれるような企業がおすすめです。改善してアウトソースした業務を効率化できれば、結果的に総務の負担が減り、よりキー業務に注力できるようになります。なお、BPO受託会社から提案を引き出すために、BPO委託元から業務に関わる情報は常時共有しておきましょう。
まとめ
業務が多岐にわたるため特徴が出しにくい総務の仕事は、BPOを活用することで変化させることができます。実際、上手に業務をアウトソースしキー業務に注力できた企業において、総務の仕事は「企業価値をあげている」として、その存在感を高めています。
基本的に総務は利益を出す部署ではないため、「BPOを導入したい」と言うと渋い顔をされることも多いでしょう。しかし、導入によって課題解決、そして企業価値の向上につながることが経営層に伝われば、導入の実現も近いはずです。
上手にBPOを活用すると、属人化や長時間労働といった課題解決だけでなく、より難易度の高い業務に時間を割けるようになるので仕事のやりがいも生まれます。総務から企業全体に好循環を生み出す第一歩として、BPOの導入を検討してみませんか。
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