2022.2.10
「PASONA Wellness EXPO ウェルネスを実現し、生産性を高めるこれからの職場づくりとは?」開催レポート
株式会社パソナ日本総務部(以下、当社)は2021年10月21日に、PASONA Wellness EXPO(主催:株式会社パソナグループ)に参加しました。
本セミナーは3部構成で開催され、第1部は、当社代表取締役副社長の岩月隆一より「ウェルビーイングを実現するバイオフィリアとワークプレースの在り方」、第2部は株式会社フロンティアコンサルティング 執行役員 設計デザイン部部長 兼 ワークデザイン研究開発部部長稲田晋司氏より「ウェルビーイングを実現し、生産性を高める職場づくりとは?」と題して講演を行いました。そして第3部では、「変化する時代のウェルネスな働き方」についてディスカッションを行いました。
第1部
講演「ウェルビーイングを実現するバイオフィリアとワークプレースの在り方」サマリー:
株式会社パソナ日本総務部 代表取締役副社長 岩月 隆一
2021年度3月に公表された世界各国・地域の幸福度ランキングでは、日本の幸福度ランクは主要7カ国中で最下位、また日本のウェルビーイング実感度はこれまでと比較しても良好な人も低い人も横ばいです。
政治的な潮流では、2021年度の成長戦略に「国民がWell-beingを実現できる社会の実現」が盛り込まれており、日本の政治的なアジェンダとしても注目度が増しています。この潮流の中、企業にCWO(Chief Wellness Officer)を設置したり、ウェルビーイングを経営理念やビジョンに掲げる企業が増えております。見えにくいものへの価値が見える化されつつあり、 ESGをはじめとした非財務諸表を重視する傾向が高まっています。
働く場が選べる現在においては、センターオフィスは集まる意味のある場、コミュニケーションが取れる場が必要であると考えておりますが、その根幹には従業員のウェルビーイングを実現できる労働環境があることが重要であるといえるでしょう。
第2部
講演「ウェルビーイングを実現し、生産性を高める職場づくりとは?」サマリー:
株式会社フロンティアコンサルティング
執行役員 設計デザイン部部長 兼 ワークデザイン研究開発部部長 稲田 晋司 氏
2009年以来、アメリカでは、ワーカーのエンゲージメントとウェルビーイングは相互的な影響があるとされていました。パンデミック期間中、エンゲージメントの向上においては変化が無い一方で、ウェルビーイングにおいては、低下した状態を維持してしまったため、多くのワーカーが燃え尽き症候群に陥り、企業としてはウェルビーイング向上を図っていくことが欠かせない状況にあります。空間価値、企業価値の訴求においてはウェルビーイングへの取り組みが必要であり、その中でもワークプレースにおいては、社員とともにウェルビーイングを継続し続ようとするスタンスが重要です。
1.精神的ウェルビーイング
従業員のニーズを常に把握し、空間に反映するワークプレースを目指す「パーソナライズド・ワークプレース」がウェルビーイングな職場の未来を読み解くキーワードとして世界的にも注目されています。また、ワーカーに裁量と責任を渡し、ワーカーが自分の居場所を自身のニーズによって選べるオフィスを構築している事例もあります。
2.身体的ウェルビーイング
単にジムの設置やヘルシーな社食を提供したりするだけでなく、照明や素材、色、交流スペースなど五感を対象とした健康的なワークプレースの創出が必要です。自然要素を活用したデザインやテクノロジーにより人間の活動に応じた音響と照明の実現をしている事例もあります。
3.社会的ウェルビーイング
マイノリティの雇用格差解消を目指す社会貢献型の店舗運営・事業展開を行う企業や、地域貢献、環境配慮の目線でオフィスに隣接する里山の再生を行っている事例もあります。
身体的・精神的ウェルビーイングにおいては、これまで多くの企業でも取り組まれてきたかと思いますが、今後社会的ウェルビーイングをいかにワークプレースで実現していくか、が各企業の課題になるのではと考えています。
フロンティアコンサルティングは、社会や社外との関わりやその可能性が社会的ウェルビーイングの実現になると考え最近大手町ビルに移転をしました。建築ストックの活用が日本としての課題である昨今、築60年以上になるビルに入居し、本拠地として活用することで、社会的責任を体現できると考えています。
第3部
ディスカッション「変化する時代のウェルネスな働き方について」
ディスカッションでは、「ウィズコロナを見据えた企業の投資の変化」「ハイブリッドワーク時代でのオフィスの活用や運用」「次世代の従業員のニーズとオフィスの在り方」など、活発な意見交換がされました。
自社企業としてのウェルネスの取り組みについての意見交換の際には、株式会社フロンティアコンサルティング稲田氏より「社外のステークホルダーや地域との交流、社内の結束を強める場所としてオフィスをつくりたいと思っている。従来と比べ執務を行うスペースを狭め、対外的に他会社と一緒に活動できるスペースを広めに取った。環境だけでなく、機会も考えながら場所を創っているため、近くに立ち寄った際は新しいオフィスの運用面など見に来ていただけると嬉しい。」とお話しいただきました。
当社代表取締役副社長の岩月からは、「オフィスで働くことで、出社時よりむしろ退社時の方が元気になるようなウェルビーイングに近づける空間を作っていきたい。そのうちの一つの要素がバイオフィリックデザインであると考えている。」と話しがありました。
【講師紹介】
稲田 晋司 氏
株式会社フロンティアコンサルティング
執行役員 設計デザイン部部長 兼 ワークデザイン研究開発部部長
建築やオフィスデザイン分野でキャリアを重ね2009年に一級建築士取得。
株式会社フロンティアコンサルティングには設立時より参画し、現在はクリエイティブディレクターやプロジェクトフェローとして、企業のオフィス構築に携わる。リサーチ活動としてWEBメディアの運営や、働き方を豊かにするプロダクト・サービスの開発支援も行う。