SEMINAR セミナー

2018.5.10

5回連続セミナー「『場作り』戦略総務スペシャルプログラム」
第4回「オフィス空間で労働生産性は高められる!」開催レポート

株式会社パソナ日本総務部(以下、当社)では2018年2月より、5回連続セミナー「オフィス革新セミナー2018『場作り』戦略総務スペシャルプログラム」を開催しています。
本セミナーは、企業の喫緊の課題でもある「企業の生産性向上」について、場作りの視点から掘り下げて考える連続セミナープログラムです。第4回は「オフィスの空間設計」をテーマに開催いたしました。

今回は株式会社パーク・コーポレーション「parkERs(パーカーズ)」クリエイティブディレクター 城本栄治氏にご登壇いただきました。

「parkERs」は、エビデンスに基づいたオフィス緑化サービス「COMORE BIZ(コモレビズ)」のデザインを担っています。空間設計と植物のプロとして、植物や什器の選定・配置から内装デザインまでをトータルにコーディネートし、お客様のオフィスの生産性を最大に引き出す空間作りを行っています。
セミナー冒頭ではサプライズとして、参加者の皆様にお花をプレゼントさせて頂きました。それぞれの花言葉を知っていただくことで植物との距離を縮めていただくといった演出により、和やかな雰囲気の中でお話を聞いて頂くことができました。

第4回「オフィス空間で労働生産性は高められる!」開催レポート

城本 栄治氏 講演「オフィスの空間設計」サマリー:

「parkERs」は、パーク・コーポレーションが「青山フラワーマーケット」などの様々な事業運営を通じて蓄積したノウハウを活かし、設立した空間デザインブランドです。昨今の「働き方改革」や「健康経営」といった社会的な潮流によって、働く空間=オフィスの重要性が見直される中、これまで様々な企業のオフィス空間設計を行ってきました。

今、オフィス空間は変換期にあります。数年前はデザインで魅せる「カフェのようなオフィス」がトレンドでしたが、今は「公園のようなオフィス」にシフトしています。「公園のようなオフィス」では、人が心地良く働くことができる環境づくりによって、知的生産性向上・人材確保・ブランディング等が目指されています。
2018年にオープンした、アマゾン社の植物園のような新社屋「Sphere(スフィア)」を筆頭に、グーグル、アップル、フェイスブックといった先進企業が続々とオフィスに緑を取り入れています。
このように、植物を取り入れたオフィスが増加している背景に、「バイオフィリア」という概念が注目され始めていることが挙げられます。バイオフィリアとは、ドイツの社会心理学者フロムが提唱した概念が発展したもので、『人間には生物や生気 (生命) に惹きつけられる心理的傾向がある』という考えです。昨今、都市空間作りに影響力を高めており、今後はオフィス空間作りにおいても重要な論点になり得ると考えています。

東京は世界の主要都市の中でも、1人当たりの公園面積比率が低いとされ、ロンドンの約10分の1と言われています。植物が人の心身に与える影響が注目される中、屋外で緑に接することが難しい東京では、屋内を緑化する需要が高まっています。
parkERsでは空港のラウンジといった公共施設や商業施設、マンションの他、オフィス空間の緑化を多数手掛けています。オフィスの緑化を導入したお客様からは、「来客からの評判が良かった」「リクルーティングに効果があった」という声をいただくなど、対社外に向けた企業のPR効果につながっていることを実感した一方で、最近では自社の社員のために緑化を行う企業が圧倒的に増えてきており、緑化のニーズはますます高まってきていると感じます。

今後のオフィス空間作りでは、右脳的要素の「デザイン性」と左脳的要素の「(グリーンの持つ)機能性」を両立させることが必要です。parkERsでは設立当時から、その重要性をとらえ空間設計を手掛けてきました。
これは本連続セミナーの第1回に登壇された、コモンズ投信株式会社 取締役会長の渋澤健氏の「投資の観点から、右脳的な『財務的価値』と左脳的な『非財務的価値』の両軸を取り込むことで、企業の持続的な価値創造が実現出来る」という意見にも通じます。
ESG投資の広がりや、世の中のSDGsへの関心の高まりを考える上で、オフィス緑化による投資対効果は高いと考えています。また昨今は、デジタルの進化が加速する中で、それに逆行するかのように人の感性は鈍くなっていると感じています。オフィスの利便性の向上が進む中、いかに「バイオフィリア」と言った感覚的要素をオフィス空間に取り込んでいくのかが、今後のオフィス空間作りの重要な論点になると考えています。

第3回「生産性、集中する環境、エビデンス」開催レポート

本セミナーの第2回開催以来、ファシリテーターを務めて頂いている月刊総務 豊田健一編集長によって質疑応答セッションが行われました。
「自社のオフィス緑化をもっとPRに活用していきたい。より上手にPRするにはどうしたら良いか」「植物に関して、自生種・在来種を守り、育んでいくためにはどうしたらよいか」など次々と意見や質問が上がり、活発に意見交換がされました。


【講師紹介】

城本 栄治氏 (parkERs(パーカーズ) Creative Director / co-founder)
株式会社パーク・コーポレーションでAoyama Flower Market / Aoyama Flower Market TEA HOUSE / hana-kichi などの空間デザインを数多く手がけ、「花と緑を使った空間デザイン」の基盤をつくる。同時に『デザイン+室内緑化(専門性)』という新しい分野を確立。
羽田空港プレミアムラウンジや丸井などの多数の施設よりオファーを受け、2013年7月には正式に植物を使った空間デザインブランド『parkERs(パーカーズ)』をブランドマネージャーの梅澤とともに設立。大手町ファーストスクエアのサンクンガーデンをはじめ、都市開発、マンションやオフィスに至るまで、コンセプト作りから実際の空間のデザインまでを担当している。
パーク・コーポレーションの空間(店舗)デザインにおける総責任者として、そしてparkERsのクリエイティブディレクター(ものづくりの責任者)として、オリジナリティのあるグリーン(植物)を使った空間デザインやプロダクトを追求し続けている。

parkERs

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