CASE 導入事例

vol.9 
三井不動産レジデンシャル株式会社/
モデルハウス「Future Co-creation FINECOURT Ⅱ」

モデルハウス「Future Co-creation FINECOURT Ⅱ」

今回COMORE BIZ(コモレビズ)が導入されたのは、神奈川県藤沢市で進められている官民一体の街づくりプロジェクト「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン」内に設けられた、宿泊体験もできるモデルハウス「Future Co-creation FINECOURT Ⅱ」です。
従来のオフィス空間ではなく、初めて住空間へのコモレビズ導入となりました。導入にあたってのコンセプトや工夫などについて、本プロジェクトを手がけられた三井不動産レジデンシャル株式会社の宍戸優太氏と、インテリアコーディネートを手がけられた三井デザインテック株式会社の瀧澤春香氏・松浦絵美氏にお話を伺いました。

 

モデルハウス「Future Co-creation FINECOURT Ⅱ」の概要を教えてください。

宍戸氏 この物件は、神奈川県藤沢市において官民一体で進められている、街づくりプロジェクト「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(以下、藤沢SST)」の中にあります。
藤沢SST内を巡るタウンツアーの際に、お客様にご覧いただくモデルハウスとしての役割と、週末にお客様が実際に利用し、家や町全体を体験していただくための宿泊施設、という二つの側面を持っています。
藤沢SSTの協議会には、パートナー企業として18団体が加盟していますが、その各社が持つノウハウや商材を取り入れながら作られたのが、このモデルハウスです。

モデルハウス「Future Co-creation FINECOURT Ⅱ」
宍戸優太 氏
三井不動産レジデンシャル株式会社
横浜支店 開発室 主事

コモレビズを採用することになった経緯を教えてください。

宍戸氏 2017年に完成した初代の「Future Co-creation FINECOURT」は、家事などの「時短」というテーマを掲げて企画しました。実際に宿泊されたお客様からは、テーマである「時短」へのこだわりポイントだけではなく、広々とした浴室などによる、リラックスや美容への効果という面についてもポジティブな感想をいただきました。
この経験からお客様の関心が高い分野として、今回の”Ⅱ”では「美容」や「健康」をテーマに掲げることから企画を始めました。ストレスが少なく、リラックスできる空間づくりを目指し検討を進める中で、まさにそれを科学的根拠に基づいて実践している、コモレビズを紹介いただいたのがきっかけです。
ここ最近は、仕事をする場所は会社の執務スペースに限らず、様々な場所が働く場所として利用されています。さらにコモレビズの導入によって、仕事環境だけではなく、生活環境にも効果があると考え、トライしようと思いました。その結果、コモレビズは住空間においてもとても効果があると考え、採用に至りました。

空間デザインのコンセプトをお聞かせください。

松浦氏 まず、このプロジェクト自体のコンセプト“住めば自ずと美しくなれる家“を、インテリアの切り口でどのように表現するかを考え、4つのポイントを決めました。

1)「communication」:ソファをリビングの中心に置き、家族がコミュニケーションを取りやすく、安らげる空間
2)「healing」:空間のどこにいても緑を感じるインテリアレイアウト
3)「favorite design」:そこに住む人の好みや季節によって、自由に飾り付けのできるディスプレイ棚
4)「study」:家族で使えるワークテーブルを配置し、大人も子供も一緒に学ぶことができる空間

これらのポイントを、どのようにコモレビズとコラボレーションさせるかという視点で空間設計を行いました。

モデルハウス「Future Co-creation FINECOURT Ⅱ」
松浦絵美 氏
三井デザインテック株式会社
インテリアデザイン事業本部
インテリアコーディネーター

モデルハウス「Future Co-creation FINECOURT Ⅱ」 モデルハウス「Future Co-creation FINECOURT Ⅱ」 モデルハウス「Future Co-creation FINECOURT Ⅱ」

コモレビズは本来オフィス向けのサービスですが、住宅に応用するにあたり、工夫や苦労した点を教えてください。

宍戸氏 オフィス空間では、執務する場所がある程度決められていると思いますが、住宅ではどのスペースで過ごすかは住む方の自由ですし、その都度変わるものです。このような環境の違いを上手く調整するのが大変でした。
そうした難しさの中においても、主要となる生活シーンのパターンを想定し、その時々に自然と植物が目に入るような設計になるよう工夫しました。コモレビズは緑視率(※)が大切なポイントになるため、これを担保しつつ空間のデザイン性も両立できるよう、バランスを取ることが最も難しい部分でした。

※緑視率:建築学会による、「人の視界に占める緑の割合で、緑の多さを表す指標」という定義。コモレビズでは研究結果に基づき、ストレス軽減効果のある緑視率の最適値は10~15%だとしている。

瀧澤氏 ソファに座ってテレビを見るときに緑が視界に入る、ダイニングテーブルで食事中にテーブル越しに緑が見える、ワークテーブルに向かい合わせで座っても両方の人から緑が見える、というように、「○○をしながらどう緑が見えるか」ということを特に考えました。
従来、植物はどうしても脇役のイメージでしたが、今回はもう一歩踏み込んで空間の中心に緑を置き、さらに緑視率を重視してレイアウトや家具のあり方を検討することが苦労した点でした。

モデルハウス「Future Co-creation FINECOURT Ⅱ」
瀧澤春香 氏
三井デザインテック株式会社
インテリアデザイン事業本部
リテール営業グループ
プロジェクト第1チーム

空間になじむ家具を特注で制作したということですが、具体的にどのようなものですか。

松浦氏 例えば、植物を取り入れたダイニングテーブルがその一つです。この家具は、どうすればコミュニケーションが弾むようなデザインになるかを考えて製作しています。
また、実際の使いやすさと、緑視率を確保できるテーブルの高さのバランスを見つけることに苦労しましたし、水やりによってテーブル自体がダメージを受けないような工夫も必要でした。

モデルハウス「Future Co-creation FINECOURT Ⅱ」

利用されたお客様の反応はいかがでしたか?

宍戸氏 まずお客様は、例えば自宅に置いた鉢植えや、庭の緑などがリラックスにつながっているという意識を、感覚的にお持ちなのだと思います。その中で、この物件では実際にストレス減少効果のある「緑の種類・量・配置」がされていることを説明すると、驚きと共に、とても興味を持っていただくことが多かったです。
「植物は何となく良い」というイメージに、根拠を持たせた点が驚かれる部分なのだと思います。

住空間における、コモレビズの新たな構想などがあればお聞かせください。

宍戸氏 コモレビズの持つ特長は、例えばマンションの共用施設においても活かせるのではと感じました。実は当社も既に、空間デザインの手法の一つとしてマンション共用施設の緑化に力を入れています。これをコモレビズで「この場所で読書や在宅ワークをすればストレス値が下がる」というように、科学的かつ明確なメリットを提示することで、新たな価値を持つ共用施設を創り出せるのではと思いました。
また、今回のように住居スペースへの導入の場合、お客様によって好みが出る可能性があります。しかし共用施設に緑を設置するということであれば、少なくとも嫌がる人はいないと思います。また共用施設内であれば、植物のメンテナンスがしやすい点もメリットになると思います。
コモレビズには、住居スペースや共用施設、更には庭や街全体までを科学的にリラックスできる空間にする、という大きな可能性があると感じています。

瀧澤氏 働き方、暮らし方、家族のあり方が多様化する現代において、職場と住宅の線引きが曖昧になってきている中、住空間においてもコモレビズのノウハウは使えると思いました。暮らしの中で植物に関心を持つことや、植物を育てるということが、家族のコミュニケーションのきっかけや癒しにつながる可能性があると思います。
また、庭やバルコニーなど室外も含めた緑化ができると、さらに提案の幅が広がると思います。例えば見ることに加えて、食べられるハーブなどの植物で緑視率を担保することで、住空間と健康促進、緑が一体化した商品開発などもできるのではないかと感じました。

※本事例に記載の情報は初掲載時(2019年7月)のものです。

モデルハウス「Future Co-creation FINECOURT Ⅱ」

名 称:三井不動産レジデンシャル株式会社/モデルハウス「Future Co-creation FINECOURT Ⅱ」
導入先住所:〒251-0043 神奈川県藤沢市辻堂元町6丁目1040番11他(地番)
ホームページ:
https://www.31sumai.com/mfr/F1243/modelhouse/modelhouse2.html