総務(人事・経理)におすすめの資格!スキルアップして業務を広げよう
総務(人事・経理)におすすめの資格!スキルアップして業務を広げよう
総務の主な業務は、会社全体のサポートです。裏方として職場を支えるには、資格がないと難しいのではないかと考える方もいるのではないでしょうか。 そこで今回は、総務の仕事に関する知識を得たい方や、より業務の質を高めたい方におすすめの資格をご紹介します。スキルアップをはかりたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
総務に必須資格はない!業務にあった資格を取得しよう
総務の業務を行うにあたり必須資格は特にないとされています。しかし総務の業務内容は「オフィスや施設の管理」「労務」「リスク管理」「経理」「法務」などと多岐にわたり、企業によって任される仕事が異なります。そのため知識が不足していると感じるそれぞれの分野について資格を通じて学ぶのもひとつの手段です。
例えば総務の一般的な仕事として、契約書や社内規程の作成があります。これらの業務には法律の知識が必要になるので、「ビジネス・キャリア検定」などの法務関連の資格取得を目指す方が多いです。
ほかにも、総務で人事関連の業務を担う場合、社内のメンタルヘルス対策を促進するために「メンタルヘルス ・マネジメント検定」を受験する方もいます。総務において資格は必ずしも必要ではありませんが、取得することで知識を得られることはもちろん、客観的に自分の能力を示せることもメリットといえます。
総務担当におすすめ資格一覧
それでは、総務担当者におすすめの資格をいくつかご紹介します。
ビルメンテナンスに関連する資格
企業運営をさまざまな面から支える役割である総務には、オフィス施設の管理や専門業者とのコミュニケーションが求められる場面もあります。
そこで取得を検討したいのがビルメンテナンス業務に関連する資格です。
ビル管理に関する資格には「第二種電気工事士」「危険物取扱者乙種」「二級ボイラー技士」「第三種冷凍機械責任者」の4種が存在し、これらを総称して「4点セット」と称されることもあります。
それぞれについて詳しく解説していきます。
第二種電気工事士
第二種電気工事士とは500kW未満の電気工事が可能になる国家資格で、保有していれば営業所や小規模なオフィスビルなどの電気工事を行えます。
電気工事士資格は業務独占資格に分類されるため、所持していることで収入増や新たなキャリアの可能性にもつながるでしょう。
危険物取扱者乙種
危険物取扱者乙種とは消防法で定義されている危険物(可燃性のあるもの、劇薬など)の扱いを認める国家資格です。資格は甲・乙・丙の3種に大別されますが、この乙種のみ第1類から第6類のいずれかを選択して受験できます。
ビルメンテナンス業務を行う上で、多くのビルに備え付けられている非常用電源やボイラー設備を取り扱うためには「第4類」の取得が必要です。
二級ボイラー技士
二級ボイラー技士は伝熱面積3㎡以上のボイラーを扱う際に必須の国家資格で、上述したいわゆる「乙四」とセットで取得されることの多いものです。
二級ボイラー技士免許を取得することで伝熱面積25㎡までのボイラーを管理できるようになるため、中小規模のオフィスやテナント、店舗などの運営管理に役立ちます。
第三種冷凍機械責任者
第三種冷凍機械責任者とは空調設備の管理・保安業務に必須とされる資格で、取得すれば工場や食品生産などの現場で必須となる冷凍設備を取り扱うことが可能になります。
なお、第三種では冷凍能力が100t/日の設備までと定められており、また他のビルメンテナンス関連資格に比べやや取得ハードルが高めの試験内容であるとされています。
ビジネス・キャリア検定
ビジネス・キャリア検定とは、主に事務職に必要な専門知識の取得とその能力を評価する検定試験です。全8分野44試験から自分に合った試験を受験することができ、1級、2級、3級、BASIC級の4つのレベルに分かれています。
さまざまな分野を網羅的に学べるため、業務分野が多岐にわたる総務におすすめの検定といえます。加えて、実践的な内容が多いため、すぐ仕事に生かせるでしょう。
衛生管理者
総務が持っていて役に立つ資格のひとつに衛生管理者があります。
これは就労中の労働災害や従業員の健康障がいを防止することを目的としており、国は労働者が50人以上いる企業に対して1人以上の衛生管理者を設置することを義務付けています。
衛生管理者の業務は主に「労働者の危険・健康障がいを防止する処置を行うこと」「労働者に健康・衛生に関する教育をすること」「健康診断の実施など健康の保持・増進のための処置を行うこと」「労働災害の原因を調査し、再発防止の処置をとること」の4つが挙げられます。
総務には安全衛生管理や従業員の健康管理など、安全な職場環境構築が求められます。労働安全衛生法(安衛法)に従った環境づくりのためにも衛生管理者の資格を取得することはおすすめです。
マイナンバー実務検定
マイナンバー実務検定は、マイナンバー制度を正しく理解し対応するための資格です。企業は社会保険や納税の関係から、従業員だけでなく従業員の扶養者のマイナンバーカードも取り扱うことがあります。
特に総務や人事担当者はマイナンバーを管理する役割を担うので、情報漏洩を防ぐ義務があります。しかし、マイナンバーの正しい取り扱い方法を完全に理解している方は多くはありません。そういった中でマイナンバー実務検定の資格を保有していれば会社にとって大きな存在となるでしょう。
中小企業診断士
中小企業診断士は、経営コンサルタントを認定する国家資格であり、2016年にはビジネスパーソンが新たに取得したい資格NO.1に選ばれた人気の高い資格です。
中小企業の経営に対してアドバイスする専門家とされており、資格を取得するには経営学や財務のほか、会計、企業経営に関わる法律などの専門知識が求められます。
経営に関する内容を学べる中小企業診断士の資格は、経営層の意思決定の下支えや会社全体に影響を及ぼす取組みを行う総務にとっておすすめといえます。
人事関連の方におすすめ資格一覧
総務の中には、人事関連の仕事が含まれていることも少なくありません。
人事は企業の財産でもある人材を獲得し、ステップアップできるようサポートする役割を担っているため、従業員が安心して働けるための環境作りや福利厚生、給与計算や社会保険などの労務管理も担当することがあります。
ここからは、人事関連の方におすすめの資格をご紹介します。
メンタルヘルス・マネジメント検定試験
精神的な悩みを持っている方は年々増加していると言われ、仕事や職場に対して不安を抱えている方も多いようです。しかし、このような状況にも関わらず、メンタルヘルスが原因で休職・退職者が出ている企業のうち3分の1が対策を行っていないとされています。また心の問題は非常にデリケートであり、対応に悩んでいる企業も多いといえます。
そのようなメンタルケアについて勉強したいと考えている方におすすめなのがメンタルヘルス・マネジメント検定試験です。精神的な疾患の未然防止に重点をおいており、メンタルヘルスケアに必要な知識や対処法を習得するものとなっています。
全部で3つのコースがあるうちの「マスターコース」が労務管理スタッフや経営幹部向けとなっています。
具体的な内容としては、各企業の経営戦略や理念を尊重しつつメンタルケアの計画を立て、スタッフへの教育・研修ができる人材を育成することが挙げられます。
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントは人と仕事の間に入り総合的なサポートをする仕事で、人事担当者に求められる知識がひととおり学べる資格となっています。
キャリアコンサルタントの資格を取得するには、厚生労働大臣が認定する140時間以上の講習課程を修了後に国家試験に合格する必要があります。その講習で学べる知識の中で、「キャリアや業務スキルの向上に関する知識」「メンタルヘルスやカウンセリングに関する技能」「配置転換や転勤など新たな環境変化に対応する支援」などが人事業務に生かせるものとして挙げられます。
このようにキャリアコンサルティングの資格取得に向けて勉強すると役に立つことが多く、人事担当者におすすめの資格といえます。
社会保険労務士
社会保険労務士は社会保険制度の専門家で、労務管理全般に対して問題点を指摘し、改善点を経営者などに伝える役割を担う国家資格です。主な業務は、行政機関に提出する書類の作成や書類申請の代行などです。
人事が社会保険労務士資格を取得するメリットとして、勉強した知識をすぐに実務で生かせることができます。社会保険労務士の資格所有者を人事に配属すれば社会保険の手続きができるので、企業にとって心強い存在となります。
2020年度実施された社会保険労務士試験の合格率は6.4%とかなり低く、難易度の高い試験といえます。
経理関連の方におすすめ資格一覧
最後に、経理関係の仕事に関連する資格をご紹介します。
日商簿記検定2級
日商簿記検定2級を持っていると、経理実務に役立つ知識があると証明できます。
日商簿記検定には1級・2級・3級・初級と4つの級がありますが、その中でも2級の内容は実務に則しており幅広い業務を担う総務におすすめの資格といえます。
試験勉強を通じて高度な商業簿記や工業簿記を学べるので、財務諸表から経営内容を把握するなどのスキルが身につきます。
経理・財務スキル検定(FASS検定)
FASS検定とは経理や財務に関する職能を証明するもので、2005年の創設以来各企業から高い評価を得ている資格です。
資産・決算・税務・資金といった4項目でそれぞれ経理スキルを総合的に計る内容となり、4分野ごとの点数に応じてそれぞれAランクからEランクまでの評価が与えられます。
経理スキルをスコアとして定量的に証明できることからキャリアアップ・転職などを考える上でも大変有用とされており、試験内容が実務に即したものであるため経理・財務に関するスキルを高めることもできるでしょう。
重要性が高まる戦略総務とは?
総務は、職場環境を影から支えるイメージが強いかもしれません。しかし、最近では「戦略総務」という言葉があるように、社内全体の生産性を高めるために先陣を切って改善に取り組む姿勢が総務 に求められています。
例えば、総務が担っているオフィスの環境整備や経理、人事などといった業務も最終的には会社や従業員の成長につながることを意識し、計画性を持って取り組む必要があります。このように総務自らが会社の運営や経営を引っ張っていく姿勢のことを「戦略総務」と呼びます。
またコロナ禍でテレワークの導入が進んだことにより、企業を取り巻く環境が大きく変わりました。非対面での業務や新たなオフィスの在り方など、新しい働き方を中心となって考え、実現し定着させることも戦略総務の役割だと言えるでしょう。
まとめ
総務の仕事をするにあたって必須資格は特にないとされる一方で、専門的な知識が求められる場面は多くあります。スキルアップをはかりたいと考えている方は、自分の業務と関連性が高い資格を取得することで業務の質の向上や、自分の能力を客観的に証明 できるでしょう。
必須資格はないとされる総務においては「総務に従事するための基本姿勢や心構え」「戦略総務の基本的な考え方」などを習得することも大切です。
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