ファシリティマネジメントに活かせる資格とは?難易度やメリットも解説

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2024年02月15日 配信
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ファシリティマネジメントに活かせる資格とは?難易度やメリットも解説

ファシリティマネジメントに活かせる資格とは?難易度やメリットも解説
オフィス環境改善・施設管理

「ファシリティマネジメント」とは、組織が所有する建物や設備(ファシリティ)を総合的に管理して、将来の利用にわたって最適化をはかる経営管理の方法です。
ルーツはアメリカで生まれたマネジメント手法と言われており、近年、シビアなコスト意識や自然環境への影響、従業員の多様な働き方を背景に、日本においても重視する企業が増えてきています。なお、ファシリティマネジメントを担う人材のことを「ファシリティマネジャー」と呼びます。

今回は、ファシリティマネジメントの基礎知識と資格試験の難易度などについてご紹介します。

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ファシリティマネジャーとは

ファシリティマネジャーの仕事内容とは具体的にどのようなもので、どういったスキルを持つ人材が適任なのでしょうか。

ファシリティマネジャーの仕事内容

組織には、オフィスや工場、倉庫、店舗といったさまざまな拠点があります。そして、土地や建物、設備機器、机や椅子をはじめとした什器備品まで、あらゆるモノをそろえてオフィス空間をつくることで、円滑な事業運営ができるようになります。これらを総合的に維持管理して最適化することが、ファシリティマネジャーの仕事です。
例えば、「経営戦略に基づくオフィス拠点の選定や整備計画の立案」「業務効率が上がるオフィスレイアウトの設計」「清潔・快適・安全なオフィス環境の維持」といった業務が挙げられます。

ファシリティマネジャーに求められるスキル

ファシリティマネジャーにはさまざまなスキルが求められます。
自社ビルの建設を例に挙げると、まず多額の資金が必要になるため、立地や規模によってどの程度の収益があれば投資額が回収できるのかといった経営的な知識が求められます。
さらに、社内外のさまざまな立場の人との調整をはかる必要があるため、コミュニケーション能力も重要です。他者との信頼関係を構築し物事を進めていくヒューマンスキルは、ファシリティマネジャーにおいても重視すべき能力と考えられるでしょう。

ファシリティマネジャーになるには

基本的にはどんな人材でもファシリティマネジャーの業務にあたることができますが、専門知識を持っていることへの裏付けとなる民間団体の資格制度は存在します。「ファシリティマネジャー」という呼称は、この認定資格を持っている人材を示す場合もあります。

ファシリティマネジメントに活かせる資格

前述したように、資格がなければファシリティマネジャーになれないわけではありません。しかし、認定資格を持つことが業務遂行へ有利に働くことは多いでしょう。

公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会では、「認定ファシリティマネジャー(CFMJ)資格」の試験を実施しています。ファシリティマネジャーにおける基本的要素が備わっているかを確認するための、知識、業務、技術および論述の試験による専門資格です。
受験資格に特別なキャリアなどは設けられていないため、誰でもチャレンジすることが可能です。しかし、資格登録するには原則として、ファシリティマネジメント業務に従事した実務経験が求められます。

資格取得のためにファシリティマネジメントについて体系的に学ぶことで知識が蓄積され、合格すれば業務の範囲が広がるチャンスになると考えられるでしょう。

認定ファシリティマネジャー資格試験の概要

ここでは、認定ファシリティマネジャー資格試験の概要について紹介します。
なお、受験する年度によって実施スケジュールや試験内容は大きく変更される可能性があります。実際の受験にあたっては、必ず公式ホームページから最新情報を確認するようにしてください。

試験日程

試験は年一回の実施で、学科試験と論述試験に分かれています。おおよそのスケジュールは次の通りです。
学科試験については、4月上旬〜5月下旬の期間に申し込み、5月下旬〜6月上旬の実施です。受験日は指定された日程の中から希望する日を選択できます。合否発表は試験後すぐで、70%以上の得点を獲得した合格者は次の論述試験に申し込むことができます。
論述試験は5月下旬〜6月中旬の期間に申し込み、試験の実施は6月下旬の1日のみです。なお、合否は9月上旬に発表されます。

科目・出題範囲

学科試験と論述試験は、FM推進連絡協議会編/日本経済新聞出版 刊 教科書「公式ガイド ファシリティマネジメント」から出題されます。対象は第1章〜第15章から出題され、第4部 第16章は対象外です。
学科試験は「(1)FM概論 第1部 第1章〜第3章」「(2)FM業務 第2部 第4章~第10章」「(3)FM知識 第3部 第11章〜第15章」から出題されます。
論述試験は第1章〜第15章の範囲から、課題の発見と解決の能力や、関係者への理解促進のためのスキルをテストします。

難易度

合格率は例年平均して44%前後となっています。受験にはキャリアを問わないものの、多くの人が実務経験者であることから、試験の難易度はやや難しい程度と考えられます。

勉強方法

試験問題は「公式ガイド ファシリティマネジメント」から出題されるため、勉強方法としてはガイドの内容を理解することが第一歩です。そして、過去問題をこなすのがセオリーと言われています。
本番の試験同様、学科試験・論述試験ともに制限時間内で必要な解答数に達せるよう事前準備を重ねておくと良いでしょう。

ファシリティマネジメントの資格を取得するメリット

ファシリティマネジメントに活かせる資格とは?難易度やメリットも解説

資格がなくてもファシリティマネジメント業務に携われますが、資格を取得すると業務上でのさまざまなメリットがあります。

スキルアップにつながる

資格取得に向けた勉強を重ねることによって、ファシリティマネジメントの業務に必要なスキルや知識が蓄積されます。それにより、実際の現場で活躍する機会が増え、仕事に充実感を得られるきっかけにもなるでしょう。

年収アップにつながる

ファシリティマネジャーの平均年収は所属する企業によって異なるものの、600~700万円程度と言われています。また企業によっては、有資格者には資格手当などの優遇制度を設けている場合もあり、資格を持たない人と比較すると年収アップにつながる可能性が高まります。

キャリアの選択肢が増える

資格を取得していることで、スキルや知識、実務経験が備わっていることをアピールできます。ファシリティマネジメントの需要は近年拡大しており、市場価値が高い人材はキャリアの選択肢が広がります。

ファシリティマネジメントは外部委託することも可能

ファシリティマネジメント業務には専門的な知識が必要なことも多く、社内の人材を育成するとしても、ヒューマンスキルやコミュニケーション能力までも同時に育むのは容易ではありません。また、ファシリティマネジャーの有資格者の採用コストは比較的高いものとなっています。
限られた社内の人材をファシリティマネジメントに注力させる余裕がない場合は、外部委託サービスを活用することも選択肢のひとつです。ファシリティマネジメント専門業者にアウトソーシングすれば、従業員の教育や育成などの手間をかけずに高品質な業務を期待できます。

まとめ

ファシリティマネジメントに活かせる資格とは?難易度やメリットも解説

土地や建物、設備といった経営資源を最適化して管理するファシリティマネジメントは、企業の成長に欠かせない戦略のひとつです。またオフィス環境は、従業員の働きやすさを左右する重要な要素です。まずは従来のオフィスを見直すことからはじめてみてはいかがでしょうか。

パソナ日本総務部のファシリティマネジメントでは、健康経営、生産性向上を実現する新たなオフィスづくりの提案を行っています。例えば、ストレス軽減と集中力アップに貢献する植物を取り入れたオフィス空間設計や、オフィス移転やレイアウト変更に伴う社内外の対応を一括して代行するなど、働く環境のファシリティマネジメントを支援しています。ぜひ、導入を検討してみてください。

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