社内イベントとは?目的から企画運営手順、定番アイデアまでご紹介
社内イベントとは?目的から企画運営手順、定番アイデアまでご紹介

働き方改革の浸透にともない、従業員同士のコミュニケーション促進やモチベーション向上を目的に、社内イベントの重要性が見直されており、さまざまな社内イベントを開催する企業が増えています。ここでは、一般的な社内イベントの企画・運営方法や定番アイデア、イベントを成功に導くための秘訣をご紹介します。
社内イベントとは?
社内イベントとは、自社で計画・運営するイベントです。参加者は原則として従業員ですが、イベントの内容によっては家族が招待されることもあります。
企業が社内イベントを行う目的には、主に以下の4つが挙げられます。
モチベーションの向上
社内イベントは、従業員同士が部署の垣根を超えて交流する貴重な場です。「ほかの部署はどのような業務を行っているのか」「同じ職場で働く従業員はどのような価値観や目的を持っているのか」などを知ることで刺激を受けるため、従業員の仕事に対するモチベーションが高まりやすくなります。
コミュニケーションの促進
会社の規模が大きくなるほど、従業員同士のコミュニケーション不足が課題となります。
社内イベントを通して、業務上あまり接点がない従業員とも交流できる場を提供することで、コミュニケーションの活性化およびチームワークの向上が期待できます。
企業理念の浸透
従業員に企業理念を浸透させることは、生産性やエンゲージメントを高めるうえで欠かせないことです。しかし、普段の業務の中で企業理念に込められた想いを語るのはなかなか難しいでしょう。
社内イベントの中には、経営層と従業員がコミュニケーションを取れるものもあります。経営層から直接的に企業理念を伝えることができるため、理解や共感を得やすくなるでしょう。
離職防止
社内イベントを開催することで、従業員のモチベーションが向上したり、従業員同士のコミュニケーションが促進されたりします。これは従業員に対して「会社での居心地が良い」というプラスの効果を発揮するため、結果として離職を防止しやすくなります。
社内イベントを開催する手順
一般的な社内イベントの企画方法と、イベント開催までの手順をご紹介します。
1.開催の目的を設定する
まずは社内イベントを開催する目的を設定します。目的が明確になることで、イベントを通して実現したいことや従業員に伝えたい内容を、一貫性をもって企画することができます。
一般的に社内イベントの目的は、以下の3つに大別することができます。
- コミュニケーションの促進
- 従業員のモチベーション向上
- 企業のミッションやビジョンの浸透
もし、従業員同士のコミュニケーション不足に課題があれば、コミュニケーションの促進を目的とするイベントを企画します。例えば、他部署の従業員と交流を図りやすい、運動会やパーティーなどが挙げられます。
また、目的の設定で意識すべき点は、社内イベントの成功自体がゴールではないということです。社内イベントはあくまでも通過点であり、企業が持つ課題の解決に向けたひとつの手段に過ぎません。よって開催そのものにこだわり過ぎると、期待していた効果が得られない可能性もあります。イベントの運営メンバーは、その点を意識しながら企画立案することをおすすめします。
2.運営メンバーの選出
社内イベントの運営メンバーは、総務や人事、営業など、複数の部署から幅広く選ぶようにしましょう。併せてさまざまな年齢や性別、入社歴の長さなどのメンバーで構成できれば、より内容の濃い意見交換ができるようになります。
3.社内イベントの概要を決める
運営メンバーが決定すれば、次に社内イベントの概要を決めます。目的を達成できるようなイベント内容、事前準備のスケジュール作成から当日の段取りまで、メンバーの意見を取り入れながら概要を固めていきます。
- 社内イベントの内容
- スケジュール作成
- 当日の段取り
- 開催場所の選定
- 社内イベントに必要な備品などの準備
- 参加者(従業員)への案内と告知
4.社内イベント内容を決定する
先述した開催の目的に沿う、社内イベント内容を検討します。
- コミュニケーションの促進:運動会、アウトドアイベント、パーティー、懇親会など
- 従業員のモチベーション向上:表彰式、成果発表会、納会など
- 企業のミッションやビジョンの浸透:周年記念イベント、全社総会など
「社内イベント」とひとことで言っても、その種類は実に豊富です。それぞれの企業の社風や、従業員からの要望なども考慮し、実現可能性の高いイベント内容にしましょう。
5.会場・備品の手配
社内イベントの会場は、従業員が参加しやすいように、会社からのアクセスを重視して選びましょう。また会場の規模・収容人数・予約可能な日時を比較し、複数の候補を選定するようにしましょう。もし第一候補の会場に不備が見つかった時などに、リスクヘッジすることが可能です。
ステージやマイク、スクリーンなどの備品については、会場や外部の専門会社からのレンタルがおすすめです。自社で保有している備品も使用できますが、運搬作業に想定外の手間やコストが必要な場合や、サイズや性能が会場の規模にそぐわない場合もあるため、注意が必要です。
なお、社内イベントの企画や準備、運営そのものを、専門会社にアウトソーシングすることもできます。企画立案から当日の運営まで、社内イベントの開催に必要なタスクをすべて一任できることが魅力です。社内リソースの関係から対応が難しい場合は、ぜひ専門会社の活用をおすすめします。
6.社内イベントの告知

社内イベントの告知は、一度きりではなく、複数回に分けて行うことをおすすめします。なぜなら、一度の告知で全従業員にその情報を周知することは難しいためです。また告知の方法も重要であり、従業員の興味・関心を引くような工夫を凝らすようにしましょう。例えば段階的に情報を公開する、開催の数日前からカウントダウンメールを配信するなど、従業員の参加意欲が高まる告知方法を意識することが大切です。
迷ったらこれ!社内イベントの定番アイデア9選
社内イベントといえば、社員旅行を想起する方も多いかもしれませんが、社員旅行はハードルが高いと感じることもあるでしょう。
ここでは、定番の社内イベントを9つご紹介します。社員旅行よりも手軽に開催できるものもあるので、ぜひ参考にしてみてください。
1.親睦会
親睦会はその名のとおり、会社の従業員の親睦を深めるためのイベントです。その内容に決まりはなく、一緒に食事を楽しんだり、ビンゴやクイズなどのゲームをしたりと自由に決められます。
内容次第ではオンラインでもオフラインでもできるので、仮に再びパンデミックが起きても実施しやすいでしょう。
2.忘新年会

忘新年会は従来から社内イベントの定番であり、多くの企業が実施しています。忘年会は「その年の苦労を忘れるため」、新年会は「新しい年を迎え、ますますの発展を祈願するため」に開催するのが一般的です。
さまざまな世代の従業員がいる場合は、お酒の場に対する意識のギャップを考慮して開催することが大切です。すべての従業員が無理なく参加できるスタイルを検討しましょう。
3.歓送迎会
新たに入社した従業員の歓迎会、そして退社する従業員の送迎会も、社内イベントのひとつです。
歓迎会は新入社員の緊張をほぐす効果があるうえに、既存の従業員とコミュニケーションが取れる良い機会となります。
一方で送迎会は、賑やかな雰囲気の中で気持ち良く送り出せるので、退社する従業員は前向きな気持ちで次の一歩を踏み出すことができるでしょう。
4.バーベキュー
プライベートでも開催することが多いバーベキューも、社内イベントとして定番です。昨今は専用施設も多くなっているため、手間なく開催できます。
バーベキューでは各自に役割が与えられるケースが多いため、参加者の自主性を刺激できると同時に、コミュニケーションの活性化が期待できます。
5.スポーツ大会・運動会
身体を動かす社内イベントとしては、スポーツ大会や運動会があります。ルールが簡単で誰もが経験したことがあるような種目を選ぶことで、世代を問わず誰でも楽しめるでしょう。
運動が苦手な従業員やハンディキャップのある従業員でも楽しめるように、種目を工夫したり、順位が高い人はもちろん、低い人にも賞品を用意しておくのも良いでしょう。
6.クリスマスパーティー
季節のイベントとして、クリスマスパーティーを開催するのも一案です。オフィスをクリスマスのモチーフで飾ったり、従業員同士でプレゼント交換をしたりすれば、きっと盛り上がるでしょう。
7.シャッフルランチ

シャッフルランチとは、部署や上下関係が異なるなど、日頃あまり関わりがない従業員同士でランチを楽しむイベントです。相互理解を深めることで、新たな関係性を築くことができます。
8.ファミリーデー
ファミリーデーとは、従業員の家族やパートナーをオフィスに招待し、見学会をはじめとするさまざまな催し物を開催するイベントです。オフィスだけでなくホテルや体育館で行われることもあり、昨今はオンライン開催も一般化しています。
ファミリーデーの狙いは、従業員の家族やパートナーに日頃の感謝を伝えると同時に、企業や仕事への理解を深めてもらうことです。これにより従業員が仕事に誇りを持てるようになれば、モチベーションの向上が期待できるでしょう。
9.社内表彰式
成果を出した従業員を表彰する社内表彰式も社内イベントの定番です。多くの従業員が集う場での表彰が一般的なため、表彰された従業員のモチベーションが高まりやすく、生産性の向上をはじめとする良い影響も期待できます。
一般的には社員総会や周年記念、忘新年会とあわせて開催されることが多いですが、上述したようなうれしい効果が見込めるため、個別に開催するのもおすすめです。
社内イベントを成功させる秘訣
ここでは、社内イベントを成功に導く3つの秘訣をご紹介します。社内イベントの企画時には、ぜひ参考にしてください。
従業員の満足度を追求する
社内イベントの主役は、あくまでも従業員です。従業員が心から満足できるイベントでなければ、本来の目的であるコミュニケーションの促進や、モチベーション向上などの結果を期待するのは難しいでしょう。参加者が不満や疑問を抱くようなイベント内容は、避けるべきです。
またイベント参加によって、従業員に負担が生じないかの配慮も必要です。例えば休日にイベントを開催する場合、従業員からすると休みの日に出社することになります。その負担に対する配慮があれば、従業員の参加意欲も高まりやすくなります。振替休日を設ける、労働の一種とみなして賃金を支払うなど、事前の対策も検討してみましょう。
従業員の欲求にフォーカスする
従業員が会社に対して抱く、さまざまな欲求を「どのようなイベント」で満たすのか、という視点で企画を練ってみましょう。例えば、モチベーション向上を目的としたイベントで、従業員のどのような欲求が満たされるかの例をご紹介します。
- 社内パーティー:「帰属欲求」を満たす
- 成果発表会:「自己実現欲求」を満たす
- 表彰式:「承認欲求」を満たす
- 内定者懇親会:新入社員の「安全欲求」を満たす
このように「欲求」の要素を盛り込むだけで、社内イベントの目的が明確になります。併せて先述した、「イベントの開催自体が目的になる」ことも防ぎやすくなります。
また「従業員の持つ欲求」にフォーカスした社内イベントには、従業員が自発的かつ積極的に参加する傾向が見られます。
双方向・参加型のイベントにする
モチベーション向上や企業のビジョンを浸透させるための社内イベントは、双方向・参加型にすることをおすすめします。例えば全社総会において、会社の理念や目標を強く伝えたいがために、内容が経営者からの一方的なスピーチに終始し、結果として従業員が退屈してしまう例が見られます。これでは本末転倒であり、逆に従業員のモチベーションを落としてしまいかねません。

そこで、経営者のスピーチに加えて、従業員の要望に応えたコンテンツや、挙手形式でのアンケート実施など双方向・参加型にすることが有効なのです。全社総会など、従業員にとっては堅い印象のイベントにおいても、経営者と従業員、両者が楽しめる内容を目指すことが大切です。
参加の負担を少なくする
参加する際の負担が大きいと、社内イベントに積極的な従業員でも参加を断念してしまう可能性があります。そのため、社内イベントを開催する際は「従業員が参加しやすい内容か」を必ずチェックしましょう。
参加しやすいと感じる要素は従業員の年代や性別、ライフステージなどによって異なります。あらかじめ従業員に意見を求め、ニーズを確認しておくと、参加率の高いイベントを企画できるでしょう。
複数の部署から運営メンバーを選出する
社内イベントの参加率を高めるには、さまざまな部署から運営メンバーを選出することが重要です。それぞれのコミュニティにひとり以上、運営メンバーがいれば上述したニーズも把握しやすくなりますし、声掛けもスムーズに行えます。
こまめに告知する
社内イベントの告知を、全従業員が必ず確認しているとは限りません。業務のやり取りに埋もれてしまい、見落としている従業員も一定数います。
そのため、社内イベントの告知は一定期間を開けてこまめに行うようにしましょう。
このとき注意したいのは、毎回同じ告知内容にならないようにすることです。回数を重ねるごとにより詳細な内容を伝えることで、すでに告知を確認している従業員も初見の従業員も興味を持ちやすくなります。
社内イベントの企画運営はプロにお任せ!「イベント支援サービス」のすすめ
社内イベントの開催は容易ではなく、企画から告知、準備、当日の運営まで、やるべきことは多岐にわたります。また、場合によってはノウハウがなく理想の企画を実現できないこともあるでしょう。
もし「多忙で社内イベントの開催ができずにいる」「ノウハウがなく思ったような企画を実現できない」とお悩みであれば、社内イベントの企画・運営を丸ごとプロに一任するのもおすすめです。
パソナ日本総務部では、多種多様な社内イベントの企画運営サービス(イベントソリューション)を行っています。企画立案はもちろん、会場や準備物、当日運営スタッフ手配までをトータルにサポートするため、お客様は通常業務に集中していただくことが可能です。
また、オンラインイベントサービスも行っており、リアルからオンライン型・ハイブリッド型への移行から企画・運営までをトータルサポートいたします。
エアバドミントンやタグラグビーのインストラクター(元日本代表)が所属していますので、スポーツイベントもおすすめです。
まとめ

社内イベントの開催には、従業員のモチベーションを高め、社内のコミュニケーションを促進し、企業理念を浸透させる効果が期待できます。そのため、生産性の低下やコミュニケーション不足などにお悩みなら、積極的に社内イベントを開催するのがおすすめです。
とはいえ、多忙により運営メンバーが集まらなかったり、ノウハウがなく理想の企画を実現できなかったりして、なかなか開催できずにいる企業もあるかもしれません。もし心当たりがあるなら、企画・運用を外部委託するのも一案です。
パソナ日本総務部では、イベントの企画から当日の運営までワンストップでサポートする「イベント支援サービス」を行っています。パソナ・パナソニック両グループで培った実績とノウハウで効果的に支援いたしますので、ぜひ利用をご検討ください。