非常食を入れ替えるタイミングとは?入れ替えの方法や賞味期限切れの対処法までご紹介!
非常食を入れ替えるタイミングとは?入れ替えの方法や賞味期限切れの対処法までご紹介!
企業で日ごろから備蓄している非常食の入れ替えタイミングは、「賞味期限切れの6カ月前ごろ」が望ましいといわれています。入れ替え作業には手間がかかることから、少しでも担当者の手間を減らせるような工夫が必要になります。 そのためには日ごろから備蓄品の管理状況を意識し、大がかりな入れ替えが発生しにくい環境を整えることが重要です。 本記事では、非常食を楽に入れ替える方法やタイミング、賞味期限切れの対処法までご紹介します。
賞味期限切れの非常食は食べられるのか
農林水産省では、「賞味期限の過ぎた食品がすぐに食べられなくなるわけではない」としています。例えば、「賞味期限当日の23:59」と「賞味期限翌日の0:00」では1秒しか違いがありません。賞味期限として記載されている日付の翌日になったからといって、直ちにその食品が食べられなくなるというわけではないのです。
しかし、これはあくまでも「賞味期限切れの食品」に限ったことであり、「消費期限切れの食品」の場合は事情が異なります。
賞味期限は「正しい方法で保存されている場合に、品質を維持したままおいしく食べられる期日」を指します。一方の消費期限は「品質を維持したまま安全に食べられる期日」を指します。これらの違いから、賞味期限を多少過ぎてもその食品は問題なく食べられる可能性が高いものの、消費期限が切れた食品は安全性が損なわれている可能性が高く、食べることで身体に悪影響を及ぼすおそれがあります。
なお賞味期限においても、高温多湿や直射日光など保管状態が悪い場合や、大幅に期限が超過している場合は処分することをおすすめします。
非常食を入れ替えるタイミングはいつ?
非常食を入れ替えるタイミングは、一般的に「賞味期限が切れる6カ月前ごろ」が適切だと考えられています。
一見するとタイミングが早すぎるように感じるかもしれませんが、入れ替え作業を行っている途中に災害が発生して物資の不足が起こる場合もあります。その場合、新たな非常食を調達するまでにかなりの時間がかかる可能性があるため、時間に余裕をもって準備しておくことが大切になります。
また、企業規模によって非常食の入れ替えには大量の商品購入が必要になることもあり、調達可能な時期を見越して適切な時期に予算を組むように計画する必要があります。場合によっては、前年から予算を組むこととなるケースもあるでしょう。
特に年度末は、企業や自治体が新たに非常食を購入することも多く、在庫が品薄になる可能性もあります。そのため、あらかじめ十分な在庫が確保できるかどうかを業者に確認しておくことも必要でしょう。
非常食の入れ替えを楽にする方法
数年に一度の非常食の入れ替えは大規模な取り組みになるため、「入れ替えなくても済む方法はないか?」と考えることもあるでしょう。しかし、東京都の「帰宅困難者対策条例」にみられるように、緊急時に備えて備蓄品をそろえる努力義務を設けている自治体もあるため、基本的に入れ替えは必須の業務となります。
そこで、ここからは少しでも非常食の入れ替えを楽にするための方法をご紹介します。
日常的にも使えるものをそろえる
外部のサービスを利用し、ウォーターサーバーやお菓子、救急用品など、日常的に利用できるものを普段からそろえておくと、購買や入れ替えの手間を軽減しながら、緊急時にも活用できます。
災害時などには水が不足しがちですが、何十名もの従業員が急場をしのぐために必要とされる3日分の水のペットボトルを常に確保しておくことは容易ではありません。そこでウォーターサーバーを設置しておけば、日常的に数十リットルから数百リットルの水が社内に備蓄されている状態になるため、いざという場面でも安心できるでしょう。専門業者から提供されるウォーターサーバーであれば、水の入れ替えなどもまとめて委託することができます。
加えてお菓子や救急箱においても、オフィスへお菓子を定期的に設置、入替えしてもらえるサービスや、置き薬サービスなどを利用することによって、自社の担当者の手をわずらわせずに確保できます。消費した分だけ定期的に補充されるため、在庫や賞味期限を気にすることなく利用しやすい点もメリットです。
ローリングストックする
非常食の備蓄をする際に有効な備蓄法のひとつに「ローリングストック法」があります。ローリングストック法とは、古くなってきた備蓄品から順番に消費し、使った分だけ新しいものを補充する備蓄法です。
例えば10個のカップ麺を備蓄しているとき、最も古い2個のカップ麺の消費期限が切れそうになったら従業員に提供するなどで消費し、新しい2個のカップ麺を買い足してストックします。このサイクルを繰り返すことで、少ない手間で常に最新の非常食をストックできるため、担当者の負担を軽減できます。
賞味期限が迫っている非常食を従業員に提供することは、福利厚生の一環として効果的なだけでなく、従業員に対して自社が「緊急時の対策を行っている会社であること」を周知することにもつながります。加えて日ごろから防災を意識する機会をつくることで、従業員一人ひとりの防災意識を高めるきっかけにもなるでしょう。
さらに、ローリングストック法では定期的に消費しながら備蓄することでこまめに賞味期限をチェックすることになり、賞味期限の大幅な超過を防ぐ効果も期待できるでしょう。また大量廃棄を防げるため、無駄を減らし、環境に配慮した備蓄法であるとも考えられます。
非常食用のサービスを使う
近年では、特定のサイクルで非常食を届けてくれるサービスもあります。サービスを提供する会社がさまざまなラインアップで届けてくれるため、入れ替える商品の種類を新たに選定する必要がなくなり、担当者の手間を軽減できます。
自社で1から購入する非常食を選定・発注し、届いた商品を既存の非常食と入れ替えて、古いものを処分する……といった一連の手間を考えると、非常食用のサービスを活用することのメリットは大きいといえるでしょう。
自動販売機のサービスを確認してみる
オフィスに自動販売機を設置している企業は多くあります。自動販売機を提供しているベンダーによっては、災害などの緊急時に飲料を備蓄品として提供してもらえる可能性もあります。
「災害支援型」「ライフライン型」などと呼ばれる自動販売機で、平常時は普通の自動販売機として機能しますが、非常時になるとロックが遠隔操作などで解除され、残っている飲料を無償で提供してくれる機能をもったものです。災害対策を重視するのであれば、そのような自動販売機を提供しているベンダーを選ぶのも方法のひとつです。
ただし、自動販売機内の飲み物だけでは備蓄量が不足する可能性があることから、備蓄品のすべてを自動販売機のみに依存することは難しいものの、いざというときの安心につながります。
賞味期限切れの非常食は寄付できる?
一部の団体 では、賞味期限切れ間近の食品の寄付を受け付けているケースがあります。賞味期限切れ間近の食品を寄付したい場合は、そういった団体に連絡してみると良いでしょう。
しかし、寄付先の団体によっては「賞味期限が1カ月以上先のものに限る」や食品の種類を限定するなどの規定を設けている場合もあるため、事前にルールを確認しておくことが大切です。
基本的には賞味期限切れが起こらないように備蓄品管理のルールを決めておき、社内でこまめにチェックしたうえで、早い段階で従業員に提供するなどして消費し、廃棄につながる食品を減らすことが望ましいと考えられます。
まとめ
非常食の入れ替えは、商品の調達期間なども見越して、賞味期限切れの6カ月前頃から準備を始めることをおすすめします。場合によっては品薄などの事情で調達に時間がかかる可能性もあるため、早めの準備を行い、余裕をもった入れ替えを行うと良いでしょう。
入れ替え作業には手間がかかることから、日常的にも使える備蓄品を準備するなどを心がけ、できるだけ大がかりな入れ替えが発生しないように工夫することが大切です。さまざまなサービスをうまく活用しながら、できるだけ手間をかけずに万全な備蓄を実現しましょう。
パソナ日本総務部でも、オフィスに必要な防災備蓄品の一括手配から備蓄品の管理、不要となった備蓄品の引き取りまでをワンストップで行う「防災備蓄品ワンストップサービス」を提供しています。防災備蓄品の手配や管理にお困りの場合は、ぜひ一度お問い合わせください 。