ドローン点検を外部委託した場合にかかる費用相場とは?自社で行うメリットからデメリットまでご紹介
ドローン点検を外部委託した場合にかかる費用相場とは?自社で行うメリットからデメリットまでご紹介
ドローンを活用すると、屋外におけるさまざまな施設の点検作業を効率化・省力化できます。しかし、ドローン点検を導入するためにはどれくらいの費用がかかるのかが分からず、外部への依頼に踏み切れないという方も多いのではないでしょうか。 ドローン点検の費用は、点検する箇所によっても異なります。 そこで今回は、ドローン点検を外部委託した場合にかかる費用相場や、自社でドローン点検を行うメリット・デメリットなどについて紹介します。
ドローン点検を外部に依頼する時の費用相場
ドローン点検は、外壁点検や屋根点検など、屋外の点検作業を必要とするさまざまな施設や設備に適用できます。
ここではよく利用される8箇所について、ドローン点検の費用相場を紹介します。
外壁点検
外壁点検の費用相場は、1000㎡あたり30万円~となっています。外壁点検に使用されるドローンは点検の用途に応じて、可視光カメラだけを搭載した安価な機体から、温度差によって異常を検知するための赤外線カメラを搭載した上級グレードの機体まで、さまざまな種類があります。
赤外線カメラが必要な外壁点検の場合は上級グレードのドローンが必要になるため、費用相場は30万円よりも高額になる可能性があります。
屋根点検
屋根点検の費用相場は、5万円~です。外壁点検と同じ機体を利用できるため、費用を抑えやすい点検箇所であるといえます。
ただし可視光カメラによる屋根の点検に加えて外壁点検も併せて行う場合は、前述の赤外線カメラによるデータ収集に対応している上級グレードの機体が必要です。
屋根点検のデータ収集は自動航行を利用しやすい点検方法です。しかし、航行範囲に電線などがある場合は、事故を回避するための丁寧な操縦が重要になります。
太陽光発電所点検
太陽光発電所点検の費用相場は、1MWあたり10万円~とされています。異常発熱箇所を検知するための赤外線カメラが必要不可欠な点検であり、グレードの高い機体を使用する必要があります。
国を挙げて再生可能エネルギーの普及が推進されていることから、太陽光発電所点検の技術も同時に発展してきており、技術的に成熟しつつある点検方法です。
風力発電所点検
風力発電所点検の費用相場は、1基あたり30万円〜です。風力発電所は風が強いエリアに設置されることから、ドローン機体の操作が不安定になりやすく、また電波障害も発生しやすい傾向にあります。
そこで、電波干渉に強い「RTKシステム」が備わっている機体が求められます。
ブレードの全長が100mを超えるような大型の風車を点検する場合は、飛行時間に余裕がある機体が推奨されています。また自動航行システムと併用することで、自動的にデータ収集ができます。
携帯電話の基地局
携帯電話の基地局の費用相場は設置場所の状況に応じて変動しやすく、依頼先のドローン点検業者に場所に応じて個別に見積もりを依頼する必要があります。近年、スマートフォンの普及や大手通信キャリア以外の携帯電話事業参入により基地局が増え続けていることから、点検需要の高い箇所です。
なかにはドローン点検で収集したデータを、クラウドサーバーに自動でアップロードして分析する大手通信キャリアや、錆を自動的に検知する機能をもったサービスを提供しているキャリアもあります。
鉄塔と送電線の点検
鉄塔と送電線の点検費用も設置場所の状況に応じて費用が大きく変動するため、ドローン業者へ都度の見積もり依頼が必要になります。送電線のドローン点検は、以前よりマニュアル操縦によって実施されていました。昨今では送電線に沿ってドローンが自動飛行し、点検に必要な各種データを撮影・取得する自動飛行システムなどの実用化もスタートしています。
橋梁の点検
橋梁の費用相場は、1日あたり60万円~とされています。橋梁のドローン点検には、ビジョンカメラを搭載して障害物回避を行い、狭いところでも自動的に点検を行える機体がよく用いられます。
搭載されているカメラで撮影したデータは専用ソフトを利用することで、3Dモデルに展開することも可能です。これにより、撮影時のデータが橋梁のどの部分なのかを正確に紐づけられます。
ダムの点検
ダムの点検相場は、100万円~です。コンクリートの点検が必要になるため、可視カメラと赤外線カメラの両方が備わったドローンが望ましいとされます。
障害物の少ない点検とされていますが、想定外の電波干渉などには注意が必要です。
自社でドローン点検を行う場合の費用・維持費
外部業者に委託せず自社でドローン点検を行う場合は、ドローン機体の購入費用や技術者の教育・養成などの費用がかかります。ここでは、具体的な費用や維持費について解説します。
ドローン本体の購入費用
ドローン点検を行うにあたって、ドローン本体の購入費用が必要です。購入費用は機体によって異なりますが、赤外線カメラが搭載されていない可視カメラのみの機体が最も安価な傾向にあります。実施予定の点検内容が、安価な機体で対応できるものであれば、16.5万円〜程度がドローン本体導入金額の目安です。
ドローンスクール受講料
自社でドローン点検を実施するなら、従業員をドローン技術者とするためのスクール受講料も必要です。趣味レベルではなく、ビジネス向けのドローン操縦スクールに通うのであれば、20〜30万円程度の費用がかかるようです。
また、全国のどのエリアで受講するかによっても費用が異なるため、申込前に費用を確認しておくことをおすすめします。
定期点検・修理費用
自社でドローンを扱うなら、機体の定期点検・修理費用も必須です。点検費用は、半年~1年間で5,000円~3万円程度です。
修理費用は故障箇所によっても大きく異なり、1,000円~数万円と幅があります。安全な航行のためにはメンテナンスが必要不可欠のため、費用がかかるからといっておろそかにしないことが大切です。
保険料
万が一の故障やトラブルに備えて、ドローン保険に加入しておくと、安心して日々の点検業務を行えます。保険料は加入する保険や補償内容によって異なり、3,000円~20万円程度とさまざまです。
補償内容をよく検討し、どの程度の内容が必要なのかを見極めた上で、自社に合った保険に加入しましょう。
ドローン点検を自社で行うメリット
ドローン点検を自社で行うことで、外部委託よりも点検費用を抑えられる可能性があります。特に赤外線カメラが搭載されていないドローンは購入費用も比較的安価なため、屋根点検などの比較的簡単な点検業務であれば、外部委託に比べて費用対効果が高まる可能性があります。
加えて、自社で点検を行うことから、点検実績を積み重ねて自社のノウハウを蓄積できるというメリットもあります。
これからドローン点検技術者を社内で育成したいと考えている場合は、自社で点検を行うメリットは大きいと言えるでしょう。
ドローン点検を自社で行うデメリット
ドローン点検を自社で行うためには、ドローンの扱いに関して教育を受け専門知識をもった人材の確保が必要不可欠です。ドローン点検は普及しつつあるとはいえ、まだ全国的に操縦者の人材が豊富であるとは言えず、十分な知識を有した人材をすぐに採用できない場合もあるでしょう。
加えて、点検箇所や必要な機材によっては、外部委託よりもコストが高額になる可能性もあります。ドローン点検を自社で行う場合は、費用対効果をよく検討することが大切です。
まとめ
ドローン点検は、さまざまな施設や設備の日常的な点検で用いられている技術です。費用は点検箇所の難易度や点検に利用する機体の種類によって大きく異なるため、事前に見積もりを取って確認することをおすすめします。
パソナ日本総務部では、ドローン点検を身近にするための「ドローン施設管理・スクールサービス」を提供しています。ドローン点検については申請手続きの代行から点検業務、その後の改修工事や対策施工も請け負っています。
また、国土交通省の所定要件を満たした団体と連携し、ドローンスクールも運営しています。ドローンによる施設点検や、操縦技術取得について興味がおありの場合はお気軽にお問い合わせください。